特集 よくわかる! 精神疾患対応 これ1冊―内科医と精神科医の連携のために
第2部 精神科との連携が特に必要な領域
7 精神疾患患者(周産期発症を含む)の妊娠出産
鈴木 映二
1
,
薄井 健介
2
1東北医科薬科大学医学部精神科学教室
2東北医科薬科大学薬学部病院薬剤学教室
pp.75-79
発行日 2024年3月26日
Published Date 2024/3/26
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000657
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Summary
1.内科的疾患を抱える妊産婦が,さらに精神疾患を合併した場合には,本人が信頼できる周囲の人,産科医,助産師,精神科医,薬剤師,自治体の母子保健担当課などと連携することが重要である.
2.もともと精神疾患を合併している人は,妊娠判明後に急に治療を中断することはかえって危険である.バルプロ酸や炭酸リチウムなどの一部の向精神薬を服用すると,形態的異常が起きやすくなることがあるが,冷静に対応することが望まれる.
3.母親の精神疾患が急変することは,胎児にとっても大きな負担になる可能性がある.特に妊娠中は,うつ病になりやすく,妊産婦の死亡の原因として自殺の割合が高いため,注意が必要である.
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