特集 よくわかる! 精神疾患対応 これ1冊―内科医と精神科医の連携のために
巻頭言
尾崎 紀夫
1
1名古屋大学大学院医学系研究科精神疾患病態解明学
pp.i-i
発行日 2024年3月26日
Published Date 2024/3/26
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000641
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筆者は精神疾患の患者・家族会での講演や会報への執筆の依頼を受けた際,事前にアンケートを実施してきた.このアンケートは,話題にすべき内容や患者・家族が抱える疑問や悩みについて把握するためのものである.その結果,多くの精神疾患患者が身体的な問題について悩んでいることが判明した.そこで最近のアンケートでは,「どんな身体的なことで困っているか?」を確認することにしている.たとえばそのうちの1つによると,約半数の患者が選んだ頻尿,肥満を筆頭に,口渇,いびきが3割を超え,便秘,多尿,高血圧,耐糖能異常も2割を超えていた.精神科医として患者の身体面に一層の関心をもつと同時に,精神疾患患者の「身体的な問題を解決してほしい」という期待に応えるためには,精神科医と内科医をはじめ複数の診療科に属する医療関係者間の連携が不可欠だという認識を深めた.
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