特集 甲状腺疾患アップデート:明日から役立つ最新知見
ねらい
吉村 弘
1
1伊藤病院内科
pp.573-573
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000243
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甲状腺疾患は大きくBasedow病,橋本病の自己免疫性疾患と腫瘍性疾患に分かれる.Basedow病の診断は1986年にTRAbが臨床で使用できるようになり,血液検査で診断がほぼ可能になった.治療は,1950年代までに手術,131I内用療法,抗甲状腺薬がそろい,それ以降に新しい治療法は生まれていない.橋本病は,1922年に甲状腺ホルモン薬,1964年にレボチロキシンが発売され,高感度自己抗体検査であるTgAb, TPOAb は1990年代から臨床で使用可能になった.また乳頭癌,濾胞癌などの甲状腺悪性腫瘍は,主として手術と131I内用療法で治療されていた.その後,新しい治療法はなく,それまでの治療を洗練されたものにすることに主眼が置かれていた.
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