連載 注目の新薬
ジェセリ®錠(ピミテスピブ)
澤木 明
1
1湘南鎌倉総合病院腫瘍内科
pp.289-291
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000067
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GISTと既存の治療薬について
消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:GIST)は消化管に発生する悪性の間葉系腫瘍であり,その頻度は10~15/100万人と報告1)されている.多くのGISTはc-kit遺伝子の機能獲得性変異を有しており,一部ではPDGFRAの変異,RAS/RAFの機能獲得性変異,NF1の機能喪失性変異,SDHBの欠損などがある.breakpoint cluster region-abelson(BCR-ABL)阻害薬として開発されたイマチニブは,81%のclinical benefitと約2年の無増悪生存期間(progression free survival:PFS)の中央値2)を示し,進行GISTの標準治療薬となった.半数以上に認められるc-kit遺伝子のexon11変異や約10%程度に認められるexon9変異ではイマチニブの効果は高い3).二次治療薬であるスニチニブはc-kit遺伝子のexon13,14変異に,三次治療薬であるレゴラフェニブはexon17変異に有効であることが知られている(図1).
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