薬の臨床
腟トリコモナス症に対するTinidazole経口錠と腟錠の併用療法について
篠原 秀隆
1
,
坂井 宏朗
1
Hidetaka Shinohara
1
,
Hiroaki Sakai
1
1東京警察病院産婦人科
pp.635-638
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205221
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腟トリコモナスは,婦人科外来において外陰部掻痒感、異常帯下を訴える患者の腟分泌物の鏡検によつて高率1)に検出される。一般に経口剤,腟錠の併用療法によつて比較的容易に消失2,3)するが,完全治癒は非常に難しく,再発4)をくりかえすように思われる。
最近,本症の新しい治療薬として,既存のNitroimi—dazole5〜7)誘導体であるTinidazole,化学名,Ethyl〔2—(2—methyl−5—nitro−1—imidazolyl) ethyl〕sulfone8)の提供を台糖ファイザー社より受けたので,その治療効果を検討したところ,虫体消失は100%,再発も,検査期間中全く認められなかつた。しかし,カンジダ症の合併が多いためか,自・他覚症状はかならずしも消退しているとは限らないという結果を得たので報告する。
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