特集 歯周病が及ぼす全身疾患への影響
歯周病の要因および全身疾患との関連 歯周病と肺炎
高柴 正悟
1
1岡山大学 学術研究院医歯薬学域(歯周病態学分野)
キーワード:
危険因子
,
歯牙喪失
,
歯周疾患
,
肺炎-誤嚥性
,
肺炎-細菌性
,
口腔ケア
,
COVID-19
,
口腔内細菌
Keyword:
Risk Factors
,
Tooth Loss
,
COVID-19
,
Pneumonia, Aspiration
,
Periodontal Diseases
,
Pneumonia, Bacterial
pp.1159-1163
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022350911
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<Headline>1 高齢社会になった日本において肺炎は死因の上位に位置するが、その多くに細菌を含む唾液の不顕性誤嚥が関連する誤嚥性肺炎が関与している。2 80歳で20本以上の歯をもつ8020達成者が50%を超える時代となり、歯のある高齢者の歯周病罹患リスクは高く、加齢によるオーラルフレイルと相まって、口腔細菌の質と量は変化する。3 さらに、中高年期以降には慢性閉塞性肺疾患(COPD)の罹患者が増加していることから、唾液の誤嚥はCOPDの悪化にも関連すると考えられる。4 SARS-CoV-2ウイルスの侵入門戸であるアンジオテンシン転換酵素2(ACE2)が歯肉を始めとする口腔組織に高発現しており、歯周病などの炎症によって発現量が増加することも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の肺炎悪化に関連する可能性もある。
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