特集 歯周病が及ぼす全身疾患への影響
歯周病の要因および全身疾患との関連 歯周病と慢性腎臓病
成石 浩司
1
1徳島大学病院 歯科・歯周病科
キーワード:
歯周疾患
,
慢性腎臓病
,
臨床的増悪
Keyword:
Clinical Deterioration
,
Periodontal Diseases
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.1155-1158
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022350910
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
<Headline>1 歯周病は口腔常在菌による慢性で微弱な感染症であり、成人が歯を喪失する最大の原因疾患である。多くは無痛のまま症状が進行するので、沈黙の疾患"silent disease"といわれる。2 歯周病を発症した組織には毛細血管が浸潤するため、組織中の細菌・細菌成分やサイトカインが血液中に侵入して全身をめぐり(菌血症)、腎臓を含む多くの遠隔臓器に負の影響を及ぼす。3 慢性腎臓病(CKD)は骨代謝異常による歯槽骨の骨量低下や免疫力低下による易感染状態を誘発するので、歯周病進行を助長するリスク因子となる。4 歯周病とCKDの病態形成は双方向性に関連するので、これらの疾患予防と治療は双方の病状改善に貢献する。
Copyright© 2022 SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.