特集 産婦人科における素朴な疑問と解説(2)産科編
Rh式血液型不適合妊娠よりずっと頻度が高いABO式血液型不適合妊娠でトラブルが少ないのはなぜ?
田野 翔
1
,
小谷 友美
1名古屋大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター
キーワード:
ABO式血液型
,
Rh-Hr式血液型
,
抗体産生
,
妊娠管理
,
出生前超音波診断
,
赤芽球症-胎児
,
中大脳動脈
,
血液型不適合妊娠
Keyword:
Antibody Formation
,
Erythroblastosis, Fetal
,
ABO Blood-Group System
,
Rh-Hr Blood-Group System
,
Ultrasonography, Prenatal
,
Prenatal Care
,
Middle Cerebral Artery
pp.1201-1205
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2023015693
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胎児の赤血球が母体の免疫で破壊される病態を胎児・新生児溶血性疾患(HDFN)とよぶ.胎児のHDFNのおもな原因にRh式血液型不適合妊娠があるが,一方でABO式血液型不適合妊娠ではHDFNはまれである.Rh(D)抗体は獲得抗体でIgG型であるのに対し,抗A/B抗体は自然抗体でIgMであることがその一因である.IgG型の抗A/B抗体を産生する場合もあり,その場合は新生児の早発黄疸の原因となることがある.
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