特集 やせ・肥満と女性のヘルスケア
やせ・肥満と産科婦人科疾患 やせ・肥満とプレコンセプションケア
荒田 尚子
1
1国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター母性内科
キーワード:
肥満
,
やせ
,
リスク
,
妊娠前管理
,
生殖に関する健康
Keyword:
Obesity
,
Risk
,
Preconception Care
,
Thinness
,
Reproductive Health
pp.487-492
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022182049
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妊娠前からやせ・肥満があると、妊孕性や妊娠転帰に負の影響がある。妊娠前に健康な体重に到達することで、肥満に関連した排卵障害、神経管欠損、早産、妊娠糖尿病、帝王切開、高血圧、血栓症などを減らし、やせに関連した排卵障害や低出生体重児を減らすことが期待できる。最近の研究では、不妊治療前の肥満女性への生活スタイル介入による減量の生児獲得への効果が示されていないが、少なくとも肥満女性において排卵障害の改善や生殖補助医療を用いない受胎の可能性が高まることも明らかにされている。やせや肥満にかかわらず、プレコンセプションからの栄養状態改善が、妊孕性、妊娠転帰、ひいては次の世代の疾患リスクを改善させる可能性がある。
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