特集 こんなときどうする?他科とのコミュニケーションガイド
(第2章)内分泌内科 甲状腺機能異常(不妊症・更年期障害など)
片井 みゆき
1
1政策研究大学院大学保健管理センター
キーワード:
Thyroxine
,
甲状腺機能検査
,
甲状腺機能亢進症
,
甲状腺機能低下症
,
鑑別診断
,
不妊症-女性
,
アルゴリズム
,
更年期障害
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Thyroid Function Tests
,
Hypothyroidism
,
Hyperthyroidism
,
Infertility, Female
,
Algorithms
,
Thyroxine
pp.136-141
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022140444
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<産婦人科医におさえてほしいポイント>近年、わが国では生殖補助医療(ART)の普及が年々進み、体外受精の実施件数は世界第1位で、2018年では出生児の15人に1人が体外受精児であった。それに伴い、日本でもATAガイドライン(2017)等を参考に、ART前・中の潜在性甲状腺機能低下症女性に対してL-T4治療を行う機会が日常診療で増加している。しかし、欧米諸国と異なりヨウ素充足国である日本では背景が異なることから、治療介入のTSH基準値に関してはわが国の実情を考慮した上での検討が望まれる。今後、さらに、生殖医療を担当する産婦人科医と内分泌内科医の間での連携と協力が進むこと、共同で日本人における至適なTSH介入値の設定研究が進むことが望まれる。また、更年期症候群の除外診断際には、甲状腺機能異常(頻度的には特に甲状腺低下症)の鑑別を心がけて頂きたい。
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