特集 こんなときどうする?他科とのコミュニケーションガイド
(第1章)新生児科・小児科・新生児外科 母体自己免疫疾患から生まれた新生児の管理
和田 雅樹
1
1東京女子医科大学母子総合医療センター 新生児医学科
キーワード:
自己免疫疾患
,
新生児疾患
,
妊娠合併症
,
紫斑病-特発性血小板減少性
,
重症筋無力症-新生児
,
新生児ループス症候群
Keyword:
Autoimmune Diseases
,
Infant, Newborn, Diseases
,
Purpura, Thrombocytopenic, Idiopathic
,
Pregnancy Complications
,
Myasthenia Gravis, Neonatal
,
Neonatal Systemic Lupus Erythematosus
pp.46-51
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022140428
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<産婦人科医におさえてほしいポイント>抗Ro/SS-A抗体を有する自己免疫疾患妊娠では、妊娠16~24週の頃に胎児の完全房室ブロックの出現に特に注意が必要である。完全房室ブロックは最重症の合併症であり、胎児心不全をきたし、胎児死亡のリスクが高くなる。完全房室ブロックは不可逆的であり、多くの場合にペースメーカーの装着が必要になる。完全房室ブロックが疑われる場合は、高次医療機関において、産科、新生児科、小児循環器科の集学的な管理が必要である。房室ブロックを発症しなかった場合でも新生児~乳児期に新生児ループスの皮膚症状や肝機能障害、血小板減少などをきたすことがあり、家族に症状を説明しておくとともに、定期的なフォローアップが必要である。その他の胎盤移行性の自己抗体としては、重症筋無力症の抗AChR抗体や特発性血小板減少性紫斑病のPAIgGなどが重要である。前者では新生児の筋無力症症状を、後者では血小板減少を起こすことがあり、その好発時期を理解し、合併症を予防することが重要である。
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