特集 トラブル回避で感染症予防 感染制御のための皮膚管理
医療従事者における手荒れ防止策の秘訣 ハンドケア製品を賢く選んで使うコツ
坂木 晴世
1
1国立病院機構西埼玉中央病院 医療安全管理室
キーワード:
保健医療従事者
,
危険因子
,
給水
,
石けん
,
選択行動
,
皮膚疾患-手部
,
スキンケア
,
手指消毒剤
Keyword:
Choice Behavior
,
Health Personnel
,
Hand Dermatoses
,
Risk Factors
,
Soaps
,
Water Supply
,
Skin Care
,
Hand Sanitizers
pp.256-260
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018337367
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医療従事者の手荒れ
医療従事者には手湿疹,いわゆる手荒れが多い。特に看護師の手荒れは深刻で,日本の調査では,皮膚炎のある看護師は53.3%1),米国の調査ではスキントラブルの経験がある看護師は85%と報告されている2)。
手荒れがあると皮膚のバリア機能が破綻し,黄色ブドウ球菌やグラム陰性桿菌などの定着が起こりやすくなる3)。つまり,本人にとっては感染性微生物に曝露するリスクが高くなり,患者へは伝播のリスクが高くなる。さらに,手荒れは手指衛生のアドヒアランスを妨げる4)。医療従事者のハンドケアの難しさは,手荒れがあるからといって仕事を休むことができず,バリア機能が破綻した皮膚のままで手荒れの原因が蓄積し,スキントラブルの悪循環に陥りやすいことにある。
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