特集 トラブル回避で感染症予防 感染制御のための皮膚管理
患者別 皮膚トラブルの実例から皮膚管理を学ぶ トラブル回避と感染症予防のポイント 疥癬患者 高齢者施設での対策を含めて
勝俣 道夫
1
1NTT東日本伊豆病院
キーワード:
Ivermectin
,
疥癬
,
投薬計画
,
皮膚症状
,
感染予防管理
,
感染症伝播
,
ヒゼンダニ
,
Phenothrin
Keyword:
Drug Administration Schedule
,
Sarcoptes scabiei
,
Scabies
,
Skin Manifestations
,
Infection Control
,
Disease Transmission, Infectious
,
Phenothrin
,
Ivermectin
pp.249-254
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018337366
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はじめに
疥癬は疥癬虫(ヒゼンダニともいう)がヒトの皮膚の最外層である角層内に寄生することによって発症する,ヒトからヒトに感染する瘙痒の激しい皮膚疾患で,瘙痒は疥癬の虫体や排泄物などに対するアレルギー反応により生じるとされている1)。本邦における年間罹患者数は約10万人から20万人と推定され,その80%以上が高齢入所者の多い施設といわれている。
さらに,日本臨床皮膚科医学会による約1,000施設へのアンケート調査の結果2)によると,高齢入所者の多い施設で最も問題となっている皮膚疾患として疥癬をあげた施設が64%と最も多く,次いで湿疹が12%,白癬が11%,褥瘡が7%,その他が6%の順となっており,高齢者と向き合う関係者にとっては,この感染症に精通することが重要と考えられる。そこで本稿ではこの疾患の皮膚症状に重点を置き,併せて必要な基礎知識と感染対策について概説することとしたい。
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