特集 トラブル回避で感染症予防 感染制御のための皮膚管理
患者別 皮膚トラブルの実例から皮膚管理を学ぶ トラブル回避と感染症予防のポイント 糖尿病患者・透析患者 糖尿病足病変の発症・進展予防のための皮膚管理
片桐 美奈子
1
1愛知医科大学病院 看護部フットケア外来
キーワード:
血液透析
,
爪疾患
,
糖尿病性ニューロパチー
,
糖尿病性腎症
,
皮膚疾患-感染性
,
皮膚疾患-足部
,
皮膚疾患-真菌性
,
スキンケア
,
糖尿病性足部疾患
,
皮膚疾患-ウイルス性
,
皮膚疾患-細菌性
,
リスク評価
,
フットケア
,
末梢動脈疾患
Keyword:
Dermatomycoses
,
Diabetic Nephropathies
,
Diabetic Neuropathies
,
Foot Dermatoses
,
Renal Dialysis
,
Nail Diseases
,
Skin Diseases, Infectious
,
Skin Diseases, Viral
,
Diabetic Foot
,
Skin Care
,
Skin Diseases, Bacterial
,
Risk Assessment
,
Peripheral Arterial Disease
pp.237-244
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018337364
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糖尿病足病変の疫学・成因
世界では糖尿病足病変がもとで20~30秒に1本の足が切断されていると報告されている。日本における糖尿病治療者の足壊疽合併率は0.7%であり,糖尿病患者下肢切断率は健常人の15~40倍と高く,糖尿病足病変による下肢切断有病率は0.2~4.8%,年間発生率は糖尿病患者10万人あたり46.1~936であるとされている。また糖尿病患者の下肢切断後死亡率は3年で50%,5年で70%との報告もあり,その予後は不良であると言える1)。
糖尿病患者は,糖尿病性神経障害,血流障害,高血糖状態に由来する易感染性を背景に,皮膚損傷(ずれ・摩擦・外傷・熱傷など)への対処が遅れ,感染・潰瘍・壊疽といった足病変をきたしやすい。糖尿病の病態に加え,リスクとなるような生活状況,セルフケア状況,ほかの合併疾患の影響を含めた全身状態なども足病変をきたす要因となっている。
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