糖尿病治療のパラダイムシフト 糖尿病合併症に関する新たな展開
糖尿病足病変と末梢動脈疾患
河野 茂夫
1
1国立病院機構京都医療センター 糖尿病協力センター
キーワード:
危険因子
,
血液循環
,
血糖
,
触覚
,
糖尿病性神経障害
,
糖尿病性足部疾患
,
リスク評価
,
視診
,
フットケア
,
末梢動脈疾患
,
血管内治療
,
圧覚
Keyword:
Blood Circulation
,
Blood Glucose
,
Diabetic Neuropathies
,
Risk Factors
,
Touch
,
Diabetic Foot
,
Risk Assessment
,
Endovascular Procedures
,
Peripheral Arterial Disease
pp.61-65
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014057538
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糖尿病患者の増加と高齢化,罹病期間の長期化,合併症の進行,動脈硬化疾患の併発などを背景に,糖尿病足病変(diabetic foot)に罹患する患者が増加している.糖尿病足病変は一般に難治性であり,高い下肢切断率が特徴としてあげられる.糖尿病患者の下肢切断率は健常者より15?40倍高い.糖尿病患者と医療関係者へのフットケア教育,ハイリスク患者への定期的なフットケアによる発症予防,重症足病変への集学的なチーム医療などにより,足切断が49~85%減少することが明らかにされている.足病変は長期間に及ぶ治療の後に治癒しても再発率が高いだけでなく,生命予後も不良である.脳梗塞や虚血性心疾患などを生じて,患者のquality of life(QOL)やactivities of daily living(ADL)が大きく損なわれることも多い.患者のQOLやADLや生命予後を守るためには,患者の足の病態に即した予防的フットケアに心血管障害の治療を加えたトータルマネージメントが重要である.
©Nankodo Co., Ltd., 2014