特集 多様化する医療現場にどう適合するか スタッフのための職業感染対策
エピネット日本版に見る血液・体液曝露の最新動向 『手術部版』から見えてくる現場事情
加藤 俊二
1
1愛知医科大学病院 看護部中央手術室
キーワード:
手術室
,
職業性曝露
,
体液
,
看護生涯教育
,
血液媒介病原体
,
現職教育
,
注射針刺傷
,
シミュレーション訓練
Keyword:
Simulation Training
,
Body Fluids
,
Education, Nursing, Continuing
,
Inservice Training
,
Operating Rooms
,
Needlestick Injuries
,
Occupational Exposure
,
Blood-Borne Pathogens
pp.296-300
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018006173
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はじめに
手術室において,針刺し切創・血液曝露事例(以下針刺し等事例とする)は,『手術部 領域の疫学と針刺し・切創・皮膚・粘膜曝露の予防対策およびエピネット日本版(手術部版)~JES2013および施設調査より~(以下エピネットとする)』にもあるように増加傾 向にある1)。手術室では,キャップの無い針の使用,複数のスタッフでの作業等,病院全体のマニュアル,ルールでは補いきれない特殊な器材の使用状況が存在する。2015年に米国周手術期看護師協会(AORN)が策定し た『鋭利器具の安全な取り扱いのためのガイ ドライン』では,手術環境でのベストプラクティス(表1)に従うことを推奨している2)。
多くの病院の手術室において,これらのガイドライン等を参考に,独自のマニュアルおよびルールを追加し,針刺し防止に取り組んでいる。しかし,毎年多くの針刺し等事例が報告されている。
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