特集 感染対策のための院内整備ガイダンスPart2 環境整備編
環境整備における上手な業務委託の導入法 医療従事者と委託業者の業務区分
並木 弥生
1
1国際医療福祉大学附属三田病院 感染対策室
キーワード:
保健医療従事者
,
専門職間人間関係
,
感染予防管理
,
スタッフ開発
,
保健医療施設環境
,
マニュアル
,
アウトソーシング
,
清掃
Keyword:
Health Facility Environment
,
Health Personnel
,
Interprofessional Relations
,
Manuals as Topic
,
Staff Development
,
Infection Control
,
Outsourced Services
pp.38-43
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2017161435
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はじめに
医療機関の床や壁などの環境表面には多数の微生物が存在しているが,通常これらが直接医療関連感染の原因になることはないといわれている1)。しかし最近では,耐性菌の環境表面での長期間生存による環境汚染が原因となる,交差感染やアウトブレイクの発生が明らかになり,環境表面からの医療関連感染が注目されている。したがって環境清掃や消毒は,院内感染対策において極めて重要な項目となっている。
現在多くの施設が,院内清掃の業務を外部委託している。外部委託では,有資格者や専門知識を十分に持った清掃スタッフが居る場合もあるが,大抵の場合,無資格者が清掃員として従事しており,知識や技術的に個人差が大きい。そのため,専門的な処理を必要とする感染症や耐性菌について,清掃スタッフの対応に苦労を抱えている施設も多いのではないだろうか。
専門知識を必要とする病原微生物に対する環境対策は,医療従事者であっても難しい。そこで本稿では,医療従事者が実施した場合と同様の質を保持するために必要な工夫を,国際医療福祉大学三田病院(以下,当院)の実例を踏まえて説明する。
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