特集 ESBL産生菌の最前線 - 知っておきたい診断・治療のすべて
単剤 or 併用? ESBL産生菌感染症の診断・治療の実際 呼吸器感染症 院内肺炎を中心に
塚田 弘樹
1
1新潟市民病院 呼吸器・感染症内科
キーワード:
Beta-Lactamases
,
Carbapenems
,
大腸菌感染症
,
院内感染
,
抗細菌剤
,
肺炎
,
診療ガイドライン
,
細菌薬剤耐性
,
Tazobactam-Piperacillin
Keyword:
Piperacillin, Tazobactam Drug Combination
,
Anti-Bacterial Agents
,
beta-Lactamases
,
Cross Infection
,
Escherichia coli Infections
,
Pneumonia
,
Carbapenems
,
Practice Guidelines as Topic
,
Drug Resistance, Bacterial
pp.122-127
発行日 2017年6月10日
Published Date 2017/6/10
DOI https://doi.org/10.34426/J03177.2017253129
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ESBL産生菌が原因菌である院内肺炎治療の原則はカルバペネム系注射薬である。代替薬として、TAZ/PIPC、CMZ、感受性が残っていればキノロン系注射薬があげられるが、治療失敗もありうる。従来、院内肺炎のエンピリック治療は、de-escalation戦略が提唱されてきたが、ESBL産生菌が原因と分かった際は、安易に狭域抗菌薬に変更すべきではない。また、新しい日本呼吸器学会『成人肺炎診療ガイドライン』では、敗血症でない、かつ重症度が高くない、かつ耐性菌リスクがない院内肺炎症例は、escalationの選択になる。初期治療の反応性が乏しく、原因菌がESBL産生菌と判明した場合は、直ちにカルバペネム系薬に変更されないと、死亡リスクが増す懸念が出てきている。
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