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バイオバンクとは―藤田医科大学バイオリソース室の取り組みと今後の展望
山本 直樹
1
,
原 範子
2
,
長谷川 幸香
2
,
宮下 照美
3
,
眞野 惠好
4
1藤田医科大学 橋渡し研究シーズ探索センター バイオリソース室 特任教授
2同 バイオリソース室 技術員
3藤田医科大学病院 医療の質安全対策部 医療の質管理室
4同病院 看護部長室
pp.212-214
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.32118/mt52030212
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はじめに
バイオバンクとは,「血液や組織などの生体試料(以下,試料)とその試料に付随(紐づけ)する臨床情報などを収集・保管し,臨床検査試薬,治療法,予防法などの医学研究・開発などに活用する仕組み」の基盤である.研究・開発ごとに試料を集めるのではなく,試料をバイオバンクにあらかじめ収集・保管し,さまざまな研究・開発などに提供することで,試料を無駄なく利活用することができる.疾患の予防,診断,新規治療法の開発などを目的としたプレシジョンメディシン注1の基盤構築やゲノム医療の発展は著しく,さまざまな疾患の生体試料とそれに付随する臨床情報などを適切に保存・管理できるバイオバンクの重要性が再認識されている.また,適切に保存・管理された試料の利活用は,臨床研究の効率化や再現性の向上につながり,さらに試料に臨床情報などを紐づけることで,バイオバンクはより効率的な研究・開発などを含めた医学研究全体に貢献できる.
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