Japanese
English
特集 Spastic Movement Disorder(SMD)に対する総合的リハビリテーション治療
SMDに対するボツリヌス療法
Botulinum Toxin Treatment of Spastic Movement Disorder
勝谷 将史
1
Masashi Katsutani
1
1医療法人社団西宮協立リハビリテーション病院
キーワード:
SMD
,
早期施注
,
亜急性期
,
能動的な機能
Keyword:
SMD
,
早期施注
,
亜急性期
,
能動的な機能
pp.1119-1124
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034111119
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内容のポイント Q&A
Q1 痙縮治療に使用されるボツリヌス療法でSMDは改善するのか?
発症後3カ月以内にボツリヌス療法を施行した場合,関節運動の改善や痙縮関連疼痛の軽減を認めるという報告や,下肢痙縮に対して亜急性期にボツリヌス毒素製剤を投与した場合,8週間後の下肢運動機能,日常生活動作(ADL),痙縮が有意に改善したという報告がある.
Q2 SMDに対するボツリヌス療法の有効な利用方法は?
麻痺肢の不動に伴う拘縮や筋線維の線維化等,筋の粘弾性を増加させる2次的な変化を早期からのボツリヌス療法により予防することでSMDの発現を遅らせる.さらに積極的な運動療法により能動的な機能改善につなげていく.
Q3 SMDを防ぐためにボツリヌス療法はいつから開始すべきか?
近年発表された文献では,SMDに対する早期治療が,麻痺肢の筋や軟部組織の短縮,拘縮,変形,痙性関連疼痛やSMDの予防に有効である可能性を支持しており,発症後3カ月以内の施注が望ましい可能性がある.
Q4 ボツリヌス療法はどのような効果をもたらすか?
SMDに対する早期からのボツリヌス療法は効率的な機能改善につながり,能動的な機能改善は長期的に介助量の軽減や社会経済的なコストの軽減につながる可能性も考えられる.

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