連載 谷口先生と基礎から学び直す 体液・代謝管理⑨
ナトリウムイオンの異常を読み解く
-低ナトリウム血症,高ナトリウム血症に対して,適切な対応が取れるように
谷口 英喜
1
Hideki Taniguchi
1
1済生会横浜市東部病院 患者支援センター/栄養部
pp.368-374
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn146030368
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体液代謝管理においては,電解質異常への適切な対応が求められます.臨床現場では,ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム,リンなどの異常を経験することがあります.なかでも,頻度として高いのが,今回取り上げる血清ナトリウムイオン濃度の異常です.ナトリウムイオンの異常においては,血液検査の結果だけをみて,低ナトリウム血症では食塩を増やして,高ナトリウム血症では減らして,という単純な管理では,うまく制御できません.今回の連載を読めば,その意味が理解できることでしょう.
ポイント
1.低ナトリウム血症には3つのタイプがある.
2.高ナトリウム血症では,脱水症を見逃さない.
3.低ナトリウム血症であっても,安易に食塩を追加してはいけない.
低ナトリウム血症の症例に対して,主治医から「管理栄養士さん,食塩を少し増やしておいて」と指示された経験があると思います.そんなとき,皆さんが,体液状態,血糖値,血中尿素窒素,尿中ナトリウムイオン濃度などを確認してから指示に従えるようになれば,一流の管理栄養士です.

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