増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
疾患からみた内科エマージェンシー
腎疾患・電解質異常
血清ナトリウム異常症
阿部 好文
1
,
黒川 清
2
1東海大学医学部腎代謝内科
2東海大学医学部
pp.344-347
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907161
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ポイント
●低Na血症では脳浮腫が起こり生命の危険があるが,ある程度持続するとadaptationにより脳浮腫は軽減する.この時期に急速なNaの補正を行うと脳幹の脱髄を惹起して,逆に生命を脅かすことになる.
●したがって単に血清Na値を見てあわてて治療を開始するのではなく,低Na血症の程度,期間,中枢神経症状の有無を見極め,背後にある病態を考えて治療することが大切である.
●一方,高Na血症は医原性に引き起こされることが多いので,まずそれを作らないように日頃から注意すべきである.
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