Break ストレス軽減! 管理栄養士のアンガーマネジメント講座①
アンガーマネジメントとは?
成瀬 由紀子
1,2
1日本アンガーマネジメント協会
2医療法人雄愛会 高野クリニック 管理栄養士・看護師
pp.88-89
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn146010088
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皆さん,こんにちは.日本アンガーマネジメント協会,アンガーマネジメントファシリテーターの成瀬由紀子と申します.本号から,栄養士の皆さんが抱く怒りやイライラに対して,少しでも気持ちが楽になる考え方をご紹介できればと思います.
まず,「アンガーマネジメント」の考え方について以下のように概要をお示しします
アンガーマネジメントの概要
●アンガーマネジメントは,1970年代にアメリカで開発された,怒りの感情をマネジメント(上手に付き合う)するための心理教育・心理トレーニングです.
●アンガーマネジメントとは,怒らないことではありません.怒る必要のあることは上手に怒ることができ,怒る必要のないことは怒らないようにすることです.怒ったことを後悔しないようにするのが目標です.怒りは自然な感情の一つであり,怒りがパワーに変わるなどのメリットもあります.
●私達を怒らせるものの正体は,「誰か」でも「出来事」でもなく,皆さんの考えの中にある「(~はこうある)べき」です.その「べき」が思い通りにならないとき,裏切られたときに怒りが生じるのです.
●「べき」と上手に付き合うのは簡単ではありません.なぜなら,それは本人の中で「常識」として認識されている事柄であり,本人にとっては全部「正解」だからです.また,曖昧な表現も人によって認識の程度が異なるため,対人では怒りが生じるきっかけとなります.そのほか,時代や立場,場所によっても常識≒「 べき」が変化します.
●怒りが生じるメカニズムとして,「べき」が裏切られたときだけでなく,ご自身が抱えているマイナスな感情,状況に影響を受けることも要因の一つとしてとらえておきましょう.
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