FOCUS
臨床検査技師のためのアンガーマネジメント
蓮沼 直子
1
1広島大学医学部附属医学教育センター
pp.1139-1141
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208504
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はじめに
皆さんは“アンガーマネジメント”と聞いてどのような印象をおもちでしょうか.アンガーマネジメントはすぐ切れる人やすごく怒りっぽい人のためのもので自分には関係ないと思っていませんか? でも実はそうではないのです.
アンガーマネジメントの対象となる怒りというのは大きな怒り,激怒のような強い怒りだけではなく,日常生活のイライラやモヤモヤといった感情も対象になります.そう考えると全ての人に心当たりがあるのではないかと思います.
では,アンガーマネジメントが必要な場面はどのようなときでしょうか? アンカーマネジメントはコミュニケーションスキルの1つですので,コミュニケーションの場面で必要だと想像できるでしょう.職場内での人間関係,つまり同僚や先輩,後輩検査技師との間や医師などの他職種間の連携の場面,もちろん患者さんの対応などもその1つとなるでしょう.
ここでは全ては書ききれませんが,総論としてのアンガーマネジメントに加え,医療人としてのアンガーマネジメントについても少し触れたいと思います.また,医療メディエーションという,コンフリクトマネジメントの手法があります.対立する双方の対話を促進するためにその齟齬を解消していくものですが,アンガーマネジメントと共通する考え方がありますので,その一部を紹介します.
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