Japanese
English
TOPICS 腎臓内科学
ポドサイトの嫌気性解糖異常から読み解く新たな病態
Dysregulated anaerobic glycolysis in podocytes:A new perspective on the pathogenesis of FSGS
椙村 真裕
1
,
前田 佳哉輔
2
Masahiro SUGIMURA
1
,
Kayaho MAEDA
2
1愛知県厚生農業協同組合連合会 海南病院腎臓内科
2名古屋大学大学院医学系研究科腎臓内科学
pp.1177-1178
発行日 2026年9月26日
Published Date 2026/9/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298131177
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
ネフローゼ症候群は,尿中に大量のタンパクが漏出する疾患群であり,微小変化型ネフローゼ症候群(minimal change disease:MCD)と巣状分節性糸球体硬化症(focal segmental glomerulosclerosis:FSGS)が代表的なポドサイト傷害を主体とする疾患群として知られている.MCDは一般的にはステロイド感受性で予後良好である一方,FSGSのなかには再発や治療抵抗性を呈し,ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群として末期腎不全へ進行する症例も少なくない1).近年,スリット膜分子を標的とした自己抗体(抗ネフリン抗体)の関与が報告され,循環液性因子によるポドサイト傷害という病態概念が注目されている2).一方で,FSGSは臨床像および病理像の多様性が大きく,特に治療抵抗例の病態理解は十分とはいえず,新たな視点からの解析が求められている3).これまでFSGSの発症機序は主として免疫学的異常に焦点が当てられてきたが,ポドサイト傷害が最終共通経路として重要視されている.ポドサイトの構造維持には細胞骨格の恒常性が不可欠であり,その維持にはエネルギー代謝が深く関与する.しかしながら,ネフローゼ症候群におけるポドサイトのエネルギー代謝の破綻がどのように病態進展に関与するかについては,十分な検討がなされていなかった.筆者らは最近,ネフローゼ症候群におけるポドサイトの代謝異常に着目し,新たな知見を得たので,本稿ではその詳細について紹介する4).
Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

