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第1土曜特集 医療に貢献する糖鎖研究最前線
神経疾患
難同定糖鎖ポリシアル酸と精神疾患との関わり
Relationship between polysialic acid and mental disorder
佐藤 ちひろ
1
Chihiro SATO
1
1名古屋大学 糖鎖生命コア研究所 統合生命医科学糖鎖研究センター 糖鎖生命科学研究室
キーワード:
精神疾患
,
ポリシアル酸
,
難同定糖鎖
,
抗体
Keyword:
精神疾患
,
ポリシアル酸
,
難同定糖鎖
,
抗体
pp.369-375
発行日 2026年8月1日
Published Date 2026/8/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298050369
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糖鎖は細胞表面を覆い,細胞の性質を如実に映し出す分子である.近年,質量分析器の劇的な改良により,一般的な糖鎖構造は比較的簡便に解析できるようになった.しかし,その解析は限定的で,厳密な糖鎖構造(結合位やアノマーなど)を提示した完全な構造を解析するのは,いまだ困難である.特に末端構造を作りだすシアル酸を含む構造で,重合体構造であるポリシアル酸構造を通常の方法で見出すことは困難である.このような難同定糖鎖の解析には糖鎖認識プローブ,すなわち抗糖鎖抗体が使用される.この難同定糖鎖のなかでもポリシアル酸は,がんや精神疾患に関わる疾患関連糖鎖エピトープである.この糖鎖は “反発性の場” と “分子誘引性の場” を同時に提示することにより,多因子を制御していることが示されてきた.また,特にポリシアル酸は精神疾患との関連性が,死後脳の解析,遺伝的な要因(G)に対する解析,環境要因(E)に対する解析,疾患モデルマウスにおける解析など,多方面から示されている数少ない糖鎖分子である.この糖鎖を特異的かつ定量的に測定できる手法はこれまで存在しなかったが,特異的糖鎖プローブを用いた組換え体抗体が開発され,同プローブによるサンドイッチELISA法を用いてさまざまな生体試料が測定され,診断への可能性が示されている.

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