Japanese
English
第5土曜特集 がん医療の最前線 臨床と研究の共創
がんの治療
血管新生阻害治療の歴史と展望
Archives and future perspectives for anti-angiogenesis therapy
田中 俊英
1
Toshihide TANAKA
1
1東京慈恵会医科大学脳神経外科
キーワード:
血管新生
,
血管内皮増殖因子(VEGF)
,
腫瘍微小環境(TME)
Keyword:
血管新生
,
血管内皮増殖因子(VEGF)
,
腫瘍微小環境(TME)
pp.799-806
発行日 2026年5月30日
Published Date 2026/5/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu297090799
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
腫瘍増殖に不可欠な血管新生を促進する因子のひとつである血管内皮増殖因子(VEGF)は,血管透過性亢進因子(VPF)でもあり,腫瘍組織への血液供給や浮腫,胸水,腹水の病態に重要な役割を果たしている.本稿では,VEGFに対する抗体が精製され治療薬として開発された基礎研究から臨床応用までの30年間を振り返る.抗VEGF抗体療法は,血管新生阻害や血管透過性抑制作用のみならず,腫瘍免疫賦活効果や腫瘍幹細胞の標的治療として,がん治療に副次的ベネフィットをもたらすことが知られている.従来のがん治療のコンセプトとは異なる本治療が,悪性固形腫瘍の標準治療のひとつとして確立されたものの,至適投与方法や治療効果判定法など未解決の問題もある.今後,基礎・臨床研究を推進し,さらなる効用やピットフォールを把握する必要がある.

Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

