Japanese
English
特集 社会的つながりと健康
社会環境が生み出す暴力と予防
Violence shaped by social environments and its prevention
古賀 千絵
1,2
,
近藤 克則
2,3
Chie KOGA
1,2
,
Katsunori KONDO
2,3
1京都大学人と社会の未来研究院
2千葉大学予防医学センター
3医療経済研究機構研究部
キーワード:
暴力疫学
,
社会疫学
,
虐待
,
社会的要因
,
暴力予防
Keyword:
暴力疫学
,
社会疫学
,
虐待
,
社会的要因
,
暴力予防
pp.1118-1122
発行日 2026年3月28日
Published Date 2026/3/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296131118
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暴力の背景には貧困,格差,ジェンダー構造などの社会的要因が存在し,その発生の責任を個人に問うのではなく,社会的文脈での理解と予防が不可欠である.本稿では,“暴力” を個人の行為ではなく社会環境が関与する予防可能な健康問題のひとつとして捉える.特に,社会的つながりと虐待に焦点を当て検討する.子どもへの虐待では,母親の社会的サポートや地域信頼が虐待リスクを低下させ,配偶者・パートナーへの虐待では,社会的サポートが非身体的暴力を防ぐ一方で,暴力を容認する地域規範や社会的無秩序はリスクを高める可能性が報告されている.高齢者虐待でも,支援ネットワークや地域の信頼が被害と加害の双方を減少させることが示されている.暴力の予防を公衆衛生分野の研究として発展させることは,あらゆる形態の暴力を未然に防ぐための不可欠かつ喫緊の課題である.

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