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連載 医療分野におけるブロックチェーンとNFTの活用・Vol.2
Web3.0時代における標準交換規約としてのFHIR
FHIR:the standard for healthcare data exchange in the Web3.0 era
木村 映善
1
Eizen KIMURA
1
1愛媛大学医学部医療情報学講座
キーワード:
FHIR
,
相互運用性
,
Web3.0
,
ブロックチェーン
Keyword:
FHIR
,
相互運用性
,
Web3.0
,
ブロックチェーン
pp.1096-1102
発行日 2025年9月13日
Published Date 2025/9/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294111096
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Web3.0は非中央集権的な仕組みを実現する技術の集大成であり,医療分野では,患者が自身の医療情報を主体的に管理し,プライバシーを保護しながらデータ流通の効率化と信頼性を高める手段として注目されている.このようなシステムでは,異なるシステム間での円滑な情報交換,すなわち「相互運用性」の確保が不可欠となる.この相互運用性を確保するうえで期待されているのが,医療情報交換規格のFHIR(ファイア)である.FHIRは技術基盤の面でWeb3.0と親和性が高い.FHIRで相互運用性を確保するには「プロファイル(Profile)」を策定する必要がある.プロファイルとは,国やユースケースごとに必要なデータ項目,コード体系,制約などを「計算機処理が可能な形式」で厳密に定義するものである.このプロファイルを用いることで,システムがデータ内容を自動で検証できるため,人的介入を介さないマシン間の連携が可能となる.日本では,国内の医療事情に合わせた実装ガイド「JP Core」の策定が進められており,今後開発されるシステムはJP Coreに準拠することが求められる.

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