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第1土曜特集 頭痛診療の新潮流――神経科学の進歩がもたらす治療戦略
頭痛医療のトピックス
頭痛医療におけるDX,ICTとAI活用
Utilizing digital transformation, ICT, and AI in headache treatment
伊藤 康男
1
Yasuo ITO
1
1埼玉医科大学脳神経内科
キーワード:
片頭痛
,
DX(デジタルトランスフォーメーション)
,
AI(人工知能)
,
ICT(情報通信技術)
Keyword:
片頭痛
,
DX(デジタルトランスフォーメーション)
,
AI(人工知能)
,
ICT(情報通信技術)
pp.449-453
発行日 2025年8月2日
Published Date 2025/8/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294050449
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医療機関の受診動機のうち,頭痛は最も多い症状のひとつである.多くの頭痛患者が最適な頭痛医療にアクセスできていない.不適切な頭痛診断,頭痛治療により患者のQOLが阻害され,むだな医療費が費やされ,わが国における労働,生産性が失われている.難治性頭痛〔慢性片頭痛,三叉神経・自律神経性頭痛,薬剤の使用過多による頭痛(MOH)〕の診断と治療は頭痛専門医の関与が必須であるが,わが国の頭痛専門医数は必要人数を満たしていないなど,さまざまな課題が取り残されている.頭痛ダイアリーは,頭痛診療において頭痛診断,治療的介入の評価に必須の情報であり,ユビキタスな情報化社会において頭痛診療でもICT(情報通信技術)を活用し,診療効率を向上させることが期待できる.さらにはクラウド化した電子頭痛ダイアリーにより,頭痛に悩む個人と医療側との情報共有,かかりつけ医と専門医の情報共有が実現できる可能性がある.また,電子頭痛ダイアリーの活用により難治性頭痛診断および治療支援が可能となる.

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