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第1土曜特集 肥満症――代謝異常から全身性疾患へのパラダイムシフト
はじめに
Introduction
小川 渉
1
Wataru OGAWA
1
1神戸大学大学院医学研究科橋渡し科学分野代謝疾患部門
pp.921-921
発行日 2025年6月7日
Published Date 2025/6/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293100921
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- Abstract 文献概要
肥満症の診療は大きな変革の時代を迎えている.腹腔鏡下胃スリーブ状切除術は2014年にわが国ではじめて保険適用となったが,近年,実施施設数も増加し,年間1,000件程度の減量・代謝改善手術が行われている.また,肥満症治療薬としては,わが国ではウゴービ®(セマグルチド)が2024年2月に発売され,ゼップバウンド®(チルゼパチド)も2025年4月に発売が開始された.これら2剤は週1回型の注射製剤であるが,経口薬や月1回型注射製剤などをはじめ,さまざまな薬剤の臨床開発が進んでいる.GLP-1(glucagon-like peptide-1)およびその関連受容体に作用する肥満症治療薬は,10数%から20%を超える減量効果が報告されており,従来の肥満症治療薬とは格段に異なる減量効果が期待できる画期的新薬といえる.
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