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特集 少子化時代の妊孕性温存療法
薬物療法による卵巣機能温存
-――GnRHアゴニストとその他の薬剤の知見
Medical ovarian protection
――GnRH agonist and other medication under research
北島 道夫
1,2
Michio KITAJIMA
1,2
1高木病院女性医療センター
2国際医療福祉大学
キーワード:
卵巣機能保護
,
GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニスト
,
乳がん
,
抗ミュラー管ホルモン(AMH)
,
accelerated activation
Keyword:
卵巣機能保護
,
GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニスト
,
乳がん
,
抗ミュラー管ホルモン(AMH)
,
accelerated activation
pp.299-303
発行日 2025年4月26日
Published Date 2025/4/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293040299
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GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニストを性腺傷害性の強い抗がん剤化学療法中に併用することによる卵巣機能保護作用については,乳がんでのRCTによる臨床的な検討が蓄積され,一定の保護作用があることにコンセンサスが得られつつある.一方,抗がん剤化学療法前の未受精卵子凍結や胚凍結などの妊孕性温存療法の代替法ではなく,それらが適用できない場合の選択肢,あるいは補助的な治療法として認識されている.抗がん剤の卵巣機能低下作用は,原始卵胞の過剰な活性化と直接的なアポトーシス誘導による細胞死に原因があることが想定されている.近年,原始卵胞の活性化を調節している因子に関する知見が急速に集積されつつあり,それら調節因子をターゲットとした効果的な卵巣機能温存療法がさまざまな薬剤を用いて実験的に検討されている.今後,薬剤による卵巣機能温存療法が臨床に応用され,検討されていくものと考えられ,卵子凍結などの生殖補助医療を応用した妊孕性温存処置に変わる妊孕性温存療法のメインストリームになる可能性がある.

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