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連載 緩和医療のアップデート・Vol.17
小児緩和ケアのあゆみ
Overview of paediatric palliative care
多田羅 竜平
1,2
Ryohei TATARA
1,2
1大阪市立総合医療センター緩和ケア内科
2同緩和ケアセンター
キーワード:
小児緩和ケア
,
発達段階
,
家族
,
ホスピス
Keyword:
小児緩和ケア
,
発達段階
,
家族
,
ホスピス
pp.1011-1016
発行日 2024年9月14日
Published Date 2024/9/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290111011
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◎小児緩和ケアの対象である “生命を脅かす病態” には,小児特有のまれな疾患が多く,小児がんは2割以下で,先天性疾患や神経疾患が多くを占めているのが特徴である.子どもや家族の緩和ケアのニーズは多様であり,病態のタイプによっても大きく異なる.
◎子どもは発達段階によって,病気や死についての理解度,意思決定能力,プライバシーへの配慮など考慮すべき点が大きく異なる.緩和ケアのコミュニケーションにおいても年齢だけでなく病気による影響も含めた個別の発達段階を考慮することが不可欠である.また,小児緩和ケアの対象となる家族は子どもの死の不安に直面しながら長期の介護が必要であるなどさまざまな困難に直面する.きょうだい児のニーズにも配慮が必要である.
◎小児緩和ケアの歴史は,1980年代に英国で始まった,病院の小児緩和ケアチームとフリースタンディングの子どもホスピスの2つのケアモデルに端を発しており,これらの活動は世界中に大きな影響を与え,わが国においても急速に普及しつつある.
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