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第1土曜特集 性差医学の現在地――最新知識とエビデンス
性差とライフステージを意識した女性の健康促進に向けて
Promotion of women’s health considering gender differences and life stage
小宮 ひろみ
1,2
Hiromi KOMIYA
1,2
1国立成育医療研究センター
2女性の健康ナショナルセンター(仮称)設立準備室
キーワード:
女性医学
,
女性の健康
,
性差
Keyword:
女性医学
,
女性の健康
,
性差
pp.898-903
発行日 2024年9月7日
Published Date 2024/9/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290100898
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日本女性の平均寿命は世界一であり,100歳を超える百寿者の割合も約90%が女性である.しかし,平均寿命と健康寿命の差は約12年あり,健康寿命の延伸は喫緊の課題である.日本では,女性医学・女性の健康に関する学会として,日本産科婦人科学会や日本性差医学・医療学会が女性医学・医療を牽引している.米国では,1990年に米国国立衛生研究所(NIH)内にORWH(Office of Research on Women’s Health)が設置され,30年以上,sexとgender両者を含む性差を意識した女性の健康に関する研究が遂行されてきた.わが国でも近年,女性特有の生殖器に関する疾患・病態の解明だけでなく,性差を考慮した女性の健康の促進が注目されている.女性特有の疾患や病態に関する研究とともに,男性・女性ともに罹患する疾患や病態における性差研究,genderの視点を包括する研究を促進することが女性医学・医療の発展,女性の健康を促進し,健康寿命延伸のブレイクスルーになるのではないかと考える.
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