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第5土曜特集 内分泌疾患の温故知新――日本内分泌学会創設100周年を目前にして
副甲状腺とカルシウムミネラル代謝
骨系統疾患と新規治療
Skeletal dysplasias and novel therapeutic approaches
道上 敏美
1
Toshimi MICHIGAMI
1
1大阪母子医療センター研究所骨発育疾患研究部門
キーワード:
軟骨無形成症
,
低ホスファターゼ症(HPP)
,
骨形成不全症
,
薬剤開発
Keyword:
軟骨無形成症
,
低ホスファターゼ症(HPP)
,
骨形成不全症
,
薬剤開発
pp.727-732
発行日 2024年8月31日
Published Date 2024/8/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290090727
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骨系統疾患とは,骨や軟骨に系統的な異常をきたす疾患の総称であり,多くは単一遺伝子病である.従来,根本的治療のない疾患の代表格であったが,近年,いくつかの疾患については病態に即した新規治療法の開発が進んでいる.四肢短縮型低身長を呈する軟骨無形成症に対しては,責任分子である線維芽細胞成長因子受容体3(FGFR3)のシグナルを標的とした種々の新規薬剤が開発されており,C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)の類縁体であるボソリチドは2022年に承認された.骨石灰化障害を呈する低ホスファターゼ症(HPP)に対しては,アルカリホスファターゼ酵素補充薬が2015年から使用可能となっている.骨脆弱性を特徴とする骨形成不全症に対しては,ビスホスフォネート製剤を用いた骨吸収抑制療法が広く行われ,さまざまな薬剤の開発や細胞移植,遺伝子治療などが試みられつつある.有効性の高い新規薬剤の登場により,骨系統疾患の診療は大きく変化している.
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