Japanese
English
連載 緩和医療のアップデート・Vol.5
皮膚疾患のマネジメント
-――発汗・かゆみ・褥瘡・潰瘍性腫瘍(腫瘤)のアプローチとマネジメント
Management of skin problems
――Approach and management of sweating, itching, pressure ulcers(injuries) and fungating malignant wounds(FMW)
金石 圭祐
1
Keisuke KANEISHI
1
1JCHO東京新宿メディカルセンター緩和ケア内科
キーワード:
発汗
,
かゆみ
,
褥瘡
,
潰瘍性腫瘍
Keyword:
発汗
,
かゆみ
,
褥瘡
,
潰瘍性腫瘍
pp.284-289
発行日 2024年4月27日
Published Date 2024/4/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28904284
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
◎皮膚トラブルによる苦痛は患者にとって時に大きな問題となる.特に終末期では皮膚においても恒常性の維持が難しく問題が発生しやすい.今回は皮膚の諸問題のなかから発汗,かゆみ,褥瘡・潰瘍性腫瘍(腫瘤)について取り上げる.発汗については,環境調整によるケアが重要である.発汗が精神的な苦痛になっていることもあり,その場合は抗不安薬などで対応することもある.かゆみについては皮膚の乾燥に対するアセスメントとケアを最初に行う.対症療法としては薬剤による局所療法と全身療法がある.褥瘡については,全身状態によっては改善が難しい場合もあり総合的な判断と患者家族のQOLを重視した対応が望まれる.ケアを含めた介入がかえってがん患者の苦痛につながる可能性についても考慮する.潰瘍性腫瘍(腫瘤)については滲出液や出血,臭気などの問題に対応することのほかに,アピアランスケアも重要である.がん患者においては皮膚の問題を根本的に解決することが難しい場合もあり,対症療法が中心となることも多い.また薬物療法だけでなくケアの比重も大きい.同時に治療やケアに際し負担がないことも重要である.いずれにしても全人的で総合的な判断が求められる点に留意して対応する.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.