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連載 緩和医療のアップデート・Vol.4
進行性疾患患者の呼吸困難の緩和
Relief of dyspnea in patients with advanced disease
山口 崇
1
Takashi YAMAGUCHI
1
1神戸大学医学部附属病院緩和支持治療科
キーワード:
呼吸困難
,
緩和ケア
,
薬物療法
,
非薬物療法
Keyword:
呼吸困難
,
緩和ケア
,
薬物療法
,
非薬物療法
pp.215-220
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28903215
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◎呼吸困難は進行がん患者において50~70%以上に合併する頻度の高い症状である1-4).また,慢性呼吸器疾患や心不全,筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患などの非がん進行性疾患患者においては,がん患者以上に呼吸困難の合併頻度が高いことが報告されている5)(表1).がん・非がんにかかわらず,進行性疾患患者において呼吸困難の合併は生活の質(QOL)の低下と関連していることも報告されており6),呼吸困難は緩和ケアの対象となる進行性疾患患者の診療にあたる際に避けては通れない重要な課題である.
◎このたび,日本緩和医療学会「がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン」の改定があった.今回の改定では,“呼吸器症状” という枠組みではどこまでの症状を扱うべきか曖昧であることから対象の症状が呼吸困難に絞られた.また,緩和ケアの対象として非がん疾患へもしっかり取り組んでいきたいという考えのもとで,一部,対象患者を非がん疾患患者も含めた内容とされた.本稿では,この改定されたガイドライン(「進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン 2023年版」)の内容を含めて,呼吸困難に対する症状緩和治療の現状に関して解説する.
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