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特集 ニューロエコノミクス(神経経済学)とは何か?――ヒトの価値観が生まれる脳の仕組みの理解とその先の未来
はじめに
Introduction
山田 洋
1
Hiroshi YAMADA
1
1筑波大学医学医療系認知行動神経科学研究室
pp.111-111
発行日 2024年4月13日
Published Date 2024/4/13
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28902111
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- Abstract 文献概要
ニューロエコノミクス(神経経済学)は “ヒトの脳が価値を評価する仕組み” を問う学問である.そういわれても,多くの読者は何のことか分からず首をひねる方も多いのではないであろうか.具体的な例をあげると,少し実感が湧くかもしれない.たとえば,スーパーマーケットでご飯の食材を選んだり,ショッピングでアクセサリーを選んだり,宝くじ売り場でどのくじを買うかを選んだりといった,日常生活のなかのさまざまな場面で価値の判断が行われている.われわれヒトの脳は意識的に,または無意識的に物事の良しあしを判断して行動を決めることを繰り返すので,ほぼすべての日常行動が神経経済学の研究対象である.この価値の評価とそれに基づく判断がヒトの脳から生まれる仕組みを探求するのが,神経経済学である.
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