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第1土曜特集 不整脈学の新潮流――基礎研究・医工連携からAIの社会実装まで
医工連携研究:新規デバイスの開発と臨床応用
サステナブル心電図モニタリングの技術的進歩
-――非接触(布類を介した)就寝検査の確立に向けた医工連携
Technological advancement in sustainable ECG monitoring
――Medical-engineering collaboration toward non-contact full-night test through nightwear
植野 彰規
1
Akinori UENO
1
1東京電機大学工学部電気電子工学科
キーワード:
非接触心電図
,
シート電極
,
心房細動
,
容量結合
,
長期就寝検査
Keyword:
非接触心電図
,
シート電極
,
心房細動
,
容量結合
,
長期就寝検査
pp.32-37
発行日 2024年4月6日
Published Date 2024/4/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2890132
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各種生体信号のモニタリングを病院内外で長期間・継続可能(つまりサステナブル)にする技術は,さまざまな慢性疾患の早期発見や治療効果の確認,予後の経過観察などに寄与すると考えられる.心電図用電極をシート状にし,ベッドシーツの下に設置するアプローチは,非接触(布類を介した)生体電位計測技術の進歩と相まり,長期就寝検査の実現を強く後押ししている.室内相対湿度を40%以上とした環境では,布類3枚(1.5mm厚)を介した場合に心電図のP波,QRS波,T波を目視できる水準にて計測が達成されている.また,就寝実験中の午前3~4時において,非接触心電図のRR間隔が参照心電図のRR間隔と高い相関(被験者7名全員がr=1.0)となることも確認されている.他方,心房細動患者を対象とした短時間の臨床実験では,辛うじて心電図を観測できた例もあるが,冬季の乾燥や静電気,衣類の厚みの影響により,計測不能となった事例が生じた.非接触就寝検査の実現に向けての課題は,相対湿度40%未満の環境下で,厚手の布類(2.0mm程度以上)を介して心電図を安定計測することである.
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