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第5土曜特集 遺伝統計学の新潮流――新規創薬・個別化医療への挑戦
遺伝統計学とシングルセル解析
がん領域におけるシングルセル解析
Single-cell analysis for oncology
上田 優輝
1
,
冨樫 庸介
1
Youki UEDA
1
,
Yosuke TOGASHI
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域腫瘍微小環境学分野
キーワード:
腫瘍微小環境
,
がん免疫療法
,
がん細胞
,
T細胞
,
シングルセルシークエンス
Keyword:
腫瘍微小環境
,
がん免疫療法
,
がん細胞
,
T細胞
,
シングルセルシークエンス
pp.1193-1199
発行日 2024年3月30日
Published Date 2024/3/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu288131193
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がんに対する治療法として最近注目されているがん免疫療法は,多数のがん種で有効性が示されている一方で,治療効果予測の難しさなどさまざまな課題が存在し,効果予測バイオマーカーやより有効性の高い新規治療法の開発が望まれている.この治療法は腫瘍微小環境におけるT細胞の活性化が重要であるが,腫瘍微小環境にはがん細胞やT細胞だけでなく多様な細胞種が存在し,相互作用などさまざまな因子が複雑に関与しており,バルクでの解析だけでは不十分である.この問題を解決するために,シングルセル解析はここ数年で急速に発展し,DNA,RNA,タンパク質,代謝物などのシングルセルレベルでの解析が可能になってきた.また,病理検体を用いて組織の位置情報を保持したまま解析が可能な技術も登場するなど,腫瘍微小環境の詳細に迫れるようになってきた.それらの解析手法を組み合わせることによって,新たな知見が明らかになってきている.
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