FORUM 世界の食生活・Vol.4
ピグミー系狩猟採集民(中部アフリカ熱帯林)
彭 宇潔
1
1静岡大学人文社会科学部
pp.468-472
発行日 2023年11月11日
Published Date 2023/11/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28706468
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ピグミーの人々
われわれの祖先のように狩猟と採集のみで生活する人々は現代にはもういないが,それでも生計手段を狩猟と採集に大きく依存している社会はある.なかでも著名なのは “ピグミー” とよばれる狩猟採集民集団で,アフリカ熱帯林地域に広く分布している.ただ,ピグミーはひとつの民族集団ではなく,複数の言語集団のことである.彼らは言葉が異なって互いに交流はないが,低身長や狩猟採集への依存,森に関する知識などに共通点が多いため,外部の人々,特に研究者にピグミーと一括してよばれている.なお,ピグミーという呼称には人種差別にかかわる歴史的背景があるが,現代では本来の差別的な意味を含めずに研究に使用するようになったため,本稿ではピグミーと統一してよぶことにする.
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