Japanese
English
特集 異所性脂肪と心血管病
筋肉内脂肪と心不全
Association between intramuscular fat and heart failure
吉田 俊丈
1
,
柴田 敦
1
Toshitake YOSHIDA
1
,
Atsushi SHIBATA
1
1大阪公立大学大学院医学研究科循環器内科学
キーワード:
心不全
,
筋肉内脂肪
,
臓器連関
Keyword:
心不全
,
筋肉内脂肪
,
臓器連関
pp.209-213
発行日 2023年10月21日
Published Date 2023/10/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28703209
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わが国において心疾患による死亡数は悪性新生物に次ぐ2番目の多さであり,心疾患のなかでも心不全による死亡が最も多い.また心不全は死亡率,再入院率も非常に高いことが知られており,社会的にも大きな問題となっている.心不全患者の病態を解明し治療を行うにあたり,心臓だけに注目するではなく,他臓器連関に着目することは極めて重要である.近年,骨格筋や脂肪組織も生理活性物質を産生・分泌する内分泌臓器と認識されるようになってきており,異所性脂肪と心血管疾患の関連も注目されている.異所性脂肪とは高脂肪食や運動不足により過剰な遊離脂肪酸が皮下脂肪や内臓脂肪以外の臓器に蓄積した組織である.異所性脂肪のひとつに筋肉内脂肪があるが,筋肉内脂肪に関してはインスリン抵抗性などとの関連について多数報告があるものの,近年まで心疾患との関連に関する報告はほとんど認めなかった.他臓器連関が注目されている現在,筋肉内脂肪と心疾患との関連について,自験例を含めた最近の文献を交えて概説する.
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