Japanese
English
第5土曜特集 内視鏡医学のすべて――各領域における診断・治療の進歩
消化器外科
膵臓を対象とした内視鏡手術の進歩
Advances in endoscopic surgery for pancreatic diseases
渡邉 雄介
1
,
仲田 興平
1
,
中村 雅史
1
Yusuke WATANABE
1
,
Kohei NAKATA
1
,
Masafumi NAKAMURA
1
1九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科
キーワード:
低侵襲膵切除術
,
腹腔鏡下膵切除術
,
ロボット支援下膵切除術
,
膵体尾部切除術(DP)
,
膵頭十二指腸切除術(PD)
Keyword:
低侵襲膵切除術
,
腹腔鏡下膵切除術
,
ロボット支援下膵切除術
,
膵体尾部切除術(DP)
,
膵頭十二指腸切除術(PD)
pp.1155-1164
発行日 2023年9月30日
Published Date 2023/9/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu286141155
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
膵臓の解剖学的・生理学的・病理学的な特徴のため,膵切除術は複雑かつ難度,侵襲性,合併症の頻度の高い手術であり,膵疾患を対象とした内視鏡手術の普及は,胆囊摘出術や上部・下部消化管外科領域と比べて遅れてきた.近年,その臨床研究のほとんどが後ろ向き研究ではあるが,腹腔鏡下手術,ロボット支援下手術を総称した低侵襲膵切除術に関するエビデンスも徐々に集積されている.わが国では,低侵襲膵切除術に関する施設基準や保険適用が厳格に定められ,その導入が安全に進められてきた.腹腔鏡下膵体尾部切除術がランダム化比較試験などのエビデンスを背景に一般的に普及しはじめた一方で,腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(PD)やロボット支援下膵切除術の有用性を明確に示すエビデンスはまだなく,わが国では施行可能な施設は限られている.ロボット支援下膵切除術は開腹手術や腹腔鏡下手術と比較して多くの利点がある可能性が示されているが,費用や長い手術時間,手技や成績が安定するまでに多くの手術経験を要するなどの問題点があり,これらの解決と質の高いエビデンスの構築が望まれる.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.