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特集 多囊胞性卵巣症候群UPDATE――病態を理解しライフステージに応じた管理を考える
診断基準の考え方
Reconsideration of diagnostic criteria for Japanese PCOS
岩佐 武
1
,
野口 拓樹
1
,
湊 沙希
1
Takeshi IWASA
1
,
Hiroki NOGUCHI
1
,
Saki MINATO
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部 産科婦人科学分野
キーワード:
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
,
日産婦2007
,
Rotterdam2003
Keyword:
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
,
日産婦2007
,
Rotterdam2003
pp.883-886
発行日 2023年9月9日
Published Date 2023/9/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28611883
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多囊胞性卵巣症候群(PCOS)の表現型には人種差があり,現在国内では日本人に適した診断基準として2007年の日本産科婦人科学会によるPCOS診断基準(日産婦2007)が広く用いられている.本診断基準では月経異常,多囊胞性卵巣,血中男性ホルモン高値またはLH基礎値高値を必須項目としており,それぞれについて具体的な定義が示されている.一方,本診断基準は改定からすでに16年が経過しており,医療技術の進歩や国際的診断基準・管理指針との整合性の観点から見直しが求められている.具体的には,多囊胞性卵巣については超音波診断機器の向上を踏まえたうえでの定義の変更と抗ミュラー管ホルモン(AMH)の併用,アンドロゲン過剰については評価項目と日本独自のカットオフ値の設定,LH高値については測定系間での測定値の乖離の取り扱いなどが検討課題となる.現在,日本産科婦人科学会の「本邦における多囊胞性卵巣症候群の診断基準の検証に関する小委員会」がこれらについての検証を進めている.
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