特集 女性のライフコース疫学研究「日本ナースヘルス研究(JNHS)」のすべて
5.卵巣性不妊と生活習慣病
倉林 工
1
1新潟市民病院産婦人科
キーワード:
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
,
生活習慣病
,
日本ナースヘルス研究(JNHS)
Keyword:
多囊胞性卵巣症候群(PCOS)
,
生活習慣病
,
日本ナースヘルス研究(JNHS)
pp.521-528
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000698
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
要旨
約45,000人の日本ナースヘルス研究(JNHS)のベースラインデータ解析から,多囊胞性卵巣症候群(PCOS)が多くを占める卵巣性不妊(排卵障害,黄体機能不全)の既往があると非不妊女性に比べ,①45歳未満で肥満が多く,②45歳以上の高血圧発症リスクが約1.7~1.9倍高く,③年齢にかかわらず高コレステロール血症発症が約1.4倍高いが体格補正で消失し,④45歳未満の糖尿病発症リスクが約3倍高いが体格補正にて消失した.すなわちPCOSは若年期の生殖異常のみでなく,その後の長期的な代謝異常である生活習慣病のハイリスク群であることが示唆された.
Copyright © 2024, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.