頻尿をきたす泌尿器重要疾患を見破る -――尿路性器感染症・尿路結石症・悪性腫瘍

Differential diagnosis of the urological disease inducing pollakisuria ――Urinary tract infection/urolithiasis/urological malignancies

　頻尿をきたす泌尿器疾患は多岐にわたり，泌尿器科を標榜しない場合でも，時々診療せざるを得ない場面に遭遇すると思われる．頻尿をきたす疾患としては，過活動膀胱や前立腺肥大症が最も一般的である．しかし頻尿という症状にとらわれすぎて，検尿やエコーなどの初期評価が不十分なまま，過活動膀胱や前立腺肥大症などの治療を漫然と行った結果，症状が改善しないばかりでなく，膀胱炎や尿路結石などの泌尿器科common diseaseや，膀胱癌などの悪性腫瘍を見逃してしまう可能性がある．本稿では，頻尿をきたす泌尿器重要疾患（尿路性器感染症，尿路結石症，泌尿器科悪性腫瘍）に関して，それらを見破るためのポイントを記載した．泌尿器科の専門医ではないが，頻尿を診療せざるを得ない先生方の日常診療において，本稿が少しでも有用となれば幸甚である．