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第1土曜特集 肺高血圧症のすべて――病態研究と治療法の最前線
各論
詳細不明な多因子のメカニズムによる肺高血圧症の実態にせまる
Approaching actual condition of pulmonary hypertension with unclear and/or multifactorial mechanisms
足立 史郎
1
Shiro ADACHI
1
1名古屋大学医学部附属病院循環器内科
キーワード:
骨髄増殖性疾患
,
慢性溶血性貧血
,
サルコイドーシス
,
肺高血圧症
,
肺腫瘍血栓性微小血管症(PTTM)
Keyword:
骨髄増殖性疾患
,
慢性溶血性貧血
,
サルコイドーシス
,
肺高血圧症
,
肺腫瘍血栓性微小血管症(PTTM)
pp.392-398
発行日 2023年2月4日
Published Date 2023/2/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28405392
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詳細不明な多因子のメカニズムによる肺高血圧症は臨床分類の5群に分類される.臨床現場では5群のなかの骨髄増殖性疾患,慢性溶血性貧血,肺腫瘍血栓性微小血管症(PTTM)などに伴う肺高血圧症にしばしば遭遇する.1群,2群,3群,4群の要素が複雑に絡み合い表現型として肺高血圧症を発症するため,一律に治療方針を立案することができない.5群に肺高血圧症を合併した際の予後や治療介入の意義についての知見が乏しいことは理解すべきだが,肺高血圧症発症に関与している要素が1群や4群主体であれば,肺高血圧症への治療効果も期待できるであろう.ただし,肺静脈病変や2群,3群といった肺血管拡張薬により状態を悪化させるリスクも同時に存在することに留意しなければならない.血行動態と併存病態とのバランスを考え,治療ゴールを調整する配慮が求められる.5群の診療は肺高血圧症診療科だけではなく,院内外の多科連携が必須であり,地域全体の肺高血圧症チームで取り組む必要がある.
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