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特集 デジタルパソロジー/サイトロジーとAIの進歩
病理医はいかに病理AI開発にコミットしうるか
-――胃癌/乳癌/子宮頸部細胞診診断支援AI開発の経験をもとに
How can pathologists commit to research and development of artificial intelligence for pathological diagnosis?
市原 真
1
Shin ICHIHARA
1
1JA北海道厚生連札幌厚生病院病理診断科
キーワード:
人工知能(AI)
,
病理診断
,
胃癌
,
乳癌
,
子宮頸部細胞診
Keyword:
人工知能(AI)
,
病理診断
,
胃癌
,
乳癌
,
子宮頸部細胞診
pp.195-200
発行日 2023年1月21日
Published Date 2023/1/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28403195
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本稿では,病理診断支援人工知能(病理AI),なかでも胃印環細胞癌,乳腺乳管内癌(DCIS),子宮頸部細胞診の診断支援AI開発に携わった経験から,エンジニアではない病理医も,病理AI開発に異なるパースペクティブからコミットしうることを概観する.Weakly-supervised learningやtransfer learning(転移学習)などの新技術によって高速化するAI開発現場において,病理医は単なる “お絵かき要員” として参画するわけではなく,より高度なプロの目線を要求される.病理AIの推論過程がもはやブラックボックスとはいいきれないこと,病理形態学的・疫学的な検討を導入すれば病理AIのデータ改善に寄与できること,病理AIを “教育” するうえでさまざまな関わり方があること,ヒト病理診断学が内在する診断者間差の問題がはからずも可視化されてきたことなどを概説し,“big data to good data” とよばれる時代に病理医がどのように良質なデータを提供していくべきかを省察する.
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