今月の主題 平衡機能検査
平衡機能の検査
2.耳石機能検査―1) 前庭性頸筋電位
竹腰 英樹
1
,
Waele Catherine de
2
Hideki TAKEGOSHI
1
,
Catherine de Waele
2
1国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科
2Laboratoire de Neurobiologie des Réseaux Sensorimoteurs
2Laboratoire de Neurobiologie des Réseaux Sensorimoteurs
キーワード:
VEMP
,
耳石器
,
下前庭神経
Keyword:
VEMP
,
耳石器
,
下前庭神経
pp.1419-1424
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101810
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平衡機能検査の中で最近注目されている前庭性頸筋電位(vestibular evoked myogenic potential;VEMP)は,ヘッドフォンからクリック音刺激を与え短潜時に胸鎖乳突筋より得られる筋電位であり,耳石器に由来する反応と考えられている.動物実験などから,球形囊由来の反応とされ,球形囊や下前庭神経の障害を診断するのに有用である.刺激はクリック音刺激のほか,ショートトーンバースト刺激,骨導刺激,電気刺激などが行われるようになり,様々な疾患の検査に応用されている.反応を振幅ばかりでなく,潜時も検討することにより前庭脊髄路の障害も診断可能である.本稿では,VEMPの検査法や注意点を記し,代表的な疾患における反応について述べた.
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