Japanese
English
TOPICS 小児科学
妊娠期の喫煙・生後の受動喫煙と子の喘息罹患との関連
Association between prenatal maternal smoking, secondhand smoking and the incidence of asthma in children
吉田 都美
1
Satomi YOSHIDA
1
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻薬剤疫学分野
pp.911-912
発行日 2022年5月28日
Published Date 2022/5/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28109911
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小児アレルギー疾患の疫学と危険因子としての受動喫煙
喘息をはじめとする小児のアレルギー疾患は戦後より増加し,近年は横ばい傾向も指摘されているが,依然として有病率の高い疾患であるため,その予防は重要な公衆衛生学的課題である.アレルギー疾患は多因子疾患とされ,家族歴などの遺伝的素因のほか,西欧型のライフスタイル,ダニ・埃・大気汚染などの環境要因が指摘されているが,なかでも妊娠期の母体喫煙や生後の受動喫煙は,児の喘息への罹患のリスクを高めることが知られている1).わが国の小児を対象とした疫学研究としては,九州地方の母子1,304ペアを対象とした研究や2),3万人以上の児を対象とした研究により3),児の受動喫煙が喘息罹患に寄与することが報告されている.一方,妊娠期の母体喫煙と受動喫煙が与える影響の程度については十分に検討されているとはいえず,北ヨーロッパや英国などの大規模データに基づく検討が多いことから,わが国独自の疫学研究が必要と考えられた.
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